高還元SESに転職しましたが、結局1年足らずで退職しました。
偽装請負だったから
一番の理由は偽装請負。あたり前ですけど違法行為に加担したくはないです。
”低賃金だ!”、”案件が選べない!”と従来のSESを批判していた高還元SESですが、根本的なところはブラックSESと同じなわけです。
思い起こせば確かに偽装請負に関してはノーコメントをつらぬいていたように思えます。
高還元SESはTwitterやブログで情報を発信している会社も多いです。
転職を考えている人は偽装請負に対する発言や、偽装請負にならないためにどのような取り組みを行っているか確認してみるのもいいと思います。
SESなんてどこも偽装請負やってるし、高還元だからいいじゃん!って思っている人も中にはいるかもしれませんが、私は嫌です。
実態は派遣
準委任で契約する場合、自社の責任者+作業者の2人体制が基本です。作業指示はこの責任者からのみにする必要があります。
しかしながら高還元SESはこの責任者がいません。書類上はいるかもしれませんが実情は契約もしていない現場の会社の社員が管理、作業指示を行います。
契約上は準委任だが実態は派遣です。

単価が安い
高還元SESにいたころ紹介された案件の単価が46~56万。還元率60%なので年収は330~400万。
さらにこれは交通費を含むので実際の年収はここから10~20万は低くなります。
福岡の30代の年収が420万くらいらしいです。平均年収にも届かないという状況です。
求人で謳っていた通りの”還元率70%”でも年収390~470万。これでようやく平均年収を超えることもあるけど、交通費込み、待機時の給与は自腹のため高いとは言いづらい額です
待機時の給与に関しては下記参照
営業していない
偽装請負なのも、単価が安いのも自社で案件獲得の営業をしていないのが原因です。
営業職の人自体はいるが、案件は仲介会社だよりです。
派遣契約ができない
自社で作業指示を行わないのであれば派遣契約を結べば問題ありません。
しかしながら案件を仲介会社頼りにしている高還元SESは準委任契約にするしかありません。
かといって高還元を実現するには人件費がかかるので案件ごとに作業責任者をだせない。
結果的にエンジニアは契約していない会社から作業指示を受け偽装請負になります。
仲介会社への手数料が発生する
仲介会社を通せば手数料が発生するので確実に単価は減ります。
少なくても3万~くらいだと思います。
透明性を売りにしてしている高還元SESですが、仲介会社の手数料まではわかりません。
その不透明なお金が何もしていない仲介にとられ続けることを考えるとモチベーションはあがりません(案件紹介してもらっている対価とは理解していますが不満はたまるもんです)
自社も仲介会社の1つ
案件が仲介会社頼りということは自社も仕事を右から左に流して手数料をとっているに過ぎず、中抜き会社の1つでしかありません。
会社に所属した時点で中抜きが+1です。長く所属するメリットは薄いです
会社が待機時の給与負担しないから
”待機時の給与は100%支給する”とうたっていましたが、実際は
”待機時の給与は100%支給するが、賞与から全額差し引く”というものでした。
それ保障になっていないよね?
決まり文句は”待機はほぼ無い”
”待機はほぼありません”、
”高還元でも利益もしっかりあります”
じゃ会社負担でええやん
負担しない理由は不公平だから
”会社が待機時の給与を全額負担すると、待機になった人の還元率が上がる”
会社が言うにはそれは不公平になるからだそうです。
待機になったらその間の給与は会社が負担するという仕組みになればエンジニア全体にメリットなので全然不公平ではないです。詭弁です。
会社が待機時の給与を負担すると利益が下がるから負担したくない、というのが本音でしょう。
フリーランスでいい
月額給与を固定、賞与を変動制にして待機時は賞与から減らすというのは、
待機時は給与0のフリーランスと変わりません。それならフリーランスのほうがいい。
エージェント使ったとしても、仲介会社と自社で最低でも手数料が2つかかる高還元SESに所属するより収入は増えます。
意見すると呼び出し
”不満があれば何でも言ってください”といってはいたが、
”給与還元率なのに会社負担分の社会保険料を含めるのはおかしくないか?”
”交通費全額支給なのに、賞与から全額減額するのはおかしくないか?”
と意見をぶつけたら
”社員のため支払っているお金だから社保を含めることはおかしくない”
”交通費をもらう人のほうが社員に支給するお金が増えて不公平だから賞与から減らすのが公平”
意見は聞くがわけのわからない言い訳するだけで聞く耳を持たない状態でした。
自分らの都合の悪いことには意見するなということなんでしょう。
ある意味風通しはいいかもしれません。右から左に流れるだけですけど
役員報酬だけは本当に業界最高水準
約束を守って社員の還元率が業界最高水準なら文句ないですが、そうでないにもかかわらず役員報酬だけは毎年大幅アップ!
役員報酬あげるために働いているようなもので本当にあほらしいです。
高還元SESの中には実際の還元率が低いにもかかわらず役員報酬が売り上げの1割にも迫る会社もあるみたいです(利益でなく売上!すごいですね)。
還元率と役員報酬のバランスにも注目してみることをお勧めします。
まとめ
・偽装請負の可能性が高い
・偽装請負が指摘され待機になると収入が0(賞与が減る)
・偽装請負は会社の責任だが、それで待機になれば負担は社員がする
順調な時はいいですが偽装請負などの問題が発生すると、自分の責任ではないのに大幅な収入ダウンとなります。
偽装請負が発覚する一番の理由は内部告発だそうです。高還元SESは人を多く雇うビジネスモデルです。人が増えれば増えるほどリスクは高くなります。
20~30代が高還元SESに転職すると年収は50万以上上がると思います。ただし正社員派遣など元請け等と直接契約をするほうが収入はもっと増えます。
単価連動において単価の高さは自分の給与に直結します。営業に投資していない高還元SESでは単価連動のメリットが十分に発揮されません。
収入、コンプライアンスなど検討を重ねるほど。。。検討するまでもなくこのまま働き続けるのは無いなーということで転職する運びとなりました。
自社で仕事をとれるってのは大事です。単価連動ならなおさらです。営業していないSESは即刻転職候補から外していいと思います。
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