SES会社は全国に何社ある?【データから推計すると7,000〜1万社】

「SES 会社 数」で検索すると、
全国に15,000〜20,000社ある といった情報が多く見つかります。

ただし、この数字には 公式な根拠がありません。

政府統計には「SES企業」という分類が存在しないため、
実際にどれくらいの企業が活動しているのかは、
データから推計する必要があります。

この記事では、

  • 厚生労働省の公的データ
  • 産業別の派遣利用割合
  • 派遣許可制度
  • SES企業の企業規模分布

などをもとに、もっとも現実的なSES企業数 を割り出していきます。

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SES企業は正式な統計区分ではない

SES(システムエンジニアリングサービス)は
法的には次のいずれかに分類されます。

  • 労働者派遣事業
  • 準委任契約
  • 請負契約
  • 情報通信業(産業分類)

したがって、政府が
「SES企業を何社」と明確にカウントする仕組みはありません。

Google検索で出てくる「15,000〜20,000社」は、
情報源が曖昧なケースが多く、
正確な統計ではありません。


派遣元事業所は全国に約4万事業所

SES企業の多くは派遣許可を取得しているため、
派遣元事業所をベースに考えると実態が見えてきます。

厚生労働省「令和5年度 労働者派遣事業報告書」より:

  • 派遣元事業所(許可あり):41,793事業所
  • 実際に派遣労働者を送り出している事業所:31,815事業所

ただしここには多様な業種が含まれています。

  • 製造
  • 介護
  • 事務
  • コールセンター
  • 物流
    など…

これを 情報通信(IT)領域に絞る必要 があります。


情報通信業の派遣先割合から派遣元(SES)企業数を推定

派遣労働者実態調査によると:

  • 情報通信業の派遣受入割合:23.1%

つまり、IT領域は全事業者の内1/4は派遣労働者がいるということになります。

需要が多ければ供給=派遣元企業も多くなります。
なのでこの割合を派遣元事業所数に掛け合わせると、
SES企業数のおおまかな規模が推定できます。


SES企業数の推計ロジック

公的データをもとにSES企業数を推定します。

  • 派遣元事業所(実働):31,815事業所
  • 情報通信業の派遣受入割合:23.1%

31,815 × 23.1% = 約7,300社

派遣許可事業所全体(41,793事業所)を基準にすると最大で約9,600社。

→ 実働しているSES企業は7,000〜1万社が妥当。


Google検索の数字が膨らむ理由

検索上で見かける企業数が大きく見えるのは、
“実働しているSES企業以外” が含まれてしまうためだと考えられます。

  • 新設したばかりの法人
  • 稼働が少ない小規模SES
  • 個人事業主のSES的活動
  • 名義上だけのIT法人
  • 休眠企業

これらをまとめて「SES企業」とカウントすると、
15,000〜20,000社という数字になるのではないでしょうか。

Google検索で見かける数字 公的データに基づく推計
15,000〜20,000社
※新設・零細・休眠企業を含む可能性
7,000〜10,000社
※派遣元×情報通信比率から推計

派遣許可を取らないSESの数は?

派遣許可を取得していないSESも一定数存在しますが、

  • 社員10〜30名前後の小規模企業
  • 資本要件の問題で許可取得が難しい企業

が中心で、大規模な割合ではありません。

この層が大量に存在すると考えるのはやや無理があるため、
やはり 実働SESは7,000〜1万社前後 が最も現実的です。


仮に SES企業が2万社あった場合

ここでは、あえて「SES企業が2万社ある」と仮定した場合に、
どのような規模感になるのかを、データをもとに軽く整理してみます。


① 派遣元事業所全体とのバランス

厚生労働省の統計では、派遣元事業所(許可取得)は全国で 41,793 事業所あります。
もし SES企業が2万社あるとすると、そのうち約半分を SES が占める計算になります。

派遣業は製造・介護・事務・販売など幅広い分野に広がっているため、
IT(SES)がこれほど大きな割合になるのは、やや大きめに感じられます。


② 情報通信業の派遣受入割合との整合性

派遣先(受け入れ側)のデータを見ると、情報通信業の派遣受入割合は 23.1% です。
つまり「IT企業の4社に1社が派遣・SESを利用している」という程度の規模です。

この需要規模を踏まえると、SES企業だけで2万社というのは、
供給側がかなり多い印象を受けます。


③ ITエンジニア人口・派遣労働者数との比較

日本の IT エンジニア人口は、各種調査を合わせると 100〜120万人ほどとされています。
また、派遣労働者全体は約 212 万人ですが、
このうち情報通信(IT)に該当するのは約 9.5%で、20万人弱です。

こうした規模を踏まえると、“SES的な働き方の人” は 10〜20万人程度に収まる方が自然です。

ここで SES企業が2万社あると仮定すると、
単純計算で 1社あたり平均10人程度 になります。
しかし、実際には数十名〜数百名規模のSES企業も多く見られ、
「平均10人」というのは少し小さすぎる印象があります。

また、IT領域の派遣・準委任で働く人の総数(10〜20万人)を
2万社で分けることを考えると、企業規模がかなり細分化されることになり、
現実の感覚とはやや離れているように思われます。


④ まとめ:2万社仮定はやや大きめ

このように、派遣元事業所数、情報通信業の派遣需要、
ITエンジニア人口などを総合して考えると、
「SES企業が2万社ある」という前提は少し大きめに感じられます。

こうしたデータのバランスを踏まえると、
現実的には 7,000〜1万社前後 の方が全体として自然な規模感といえるでしょう。


まとめ:SES企業は7,000〜1万社がもっとも妥当

  • Google検索の15,000〜20,000社は、実働とは異なる数字
  • 公的データをもとにすると7,000〜1万社が合理的
  • この規模感が、SES市場やSaaS市場の分析基盤になる

SES企業数の実態を理解することで、

  • 高還元SESの立ち位置
  • 仲介会社の多さ
  • エンジニア採用市場の競争度
  • SES向けSaaSの市場規模の限界

などもより深く理解できるようになります。

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